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title.png 遺言書で失敗した7つのこと
n02.png 遺言書に完璧を求めることは大変なの?ここでは公証人がからむ公正証書遺言ですら起きてしまう思いもよらない失敗をとりあげました。

1.遺留分を主張しない約束を反故に

 親が全財産を長男に相続させる遺言書を書いた。他の相続人である次男に親が説得し、遺留分を主張しないことを約束したにもかかわらず、親がなくなった後、次男は長男に遺留分減殺請求の意思表示をした。やはり遺留分対策は、家庭裁判所に申立する遺留分の放棄か、生命保険による遺留分の貯蓄をおすすめします。


2.受遺者が遺言者よりも先に亡くなる

 遺言書で遺産を相続される人「受遺者」が、遺言を作成した人「遺言者」よりも先に亡くなった場合、遺言書で指定が無い限り、法定相続人に法定相続分どおりに分割されます。ですので、その可能性が高い場合には、予備の受遺者を遺言書で指定しておくべきでしょう。


3.遺言者が亡くなるよりも先に遺産がなくなる

 長男にある不動産を相続する内容を決めたが、遺言の効力が発生する前に、その不動産を売却。遺言書を書きなおす前に遺言者である親が亡くなった。そうなると、長男にその不動産を相続する内容に関しのみ、無効となります。そのため遺言書を早急に作りなおすことをおすすめします。


4.死期がせまったときにつくるでは遅い

 遺言書を作成するのは、死期が迫ったとき、高齢になったときというイメージがあると思います。しかしそれよりも先に認知症など判断能力が低下したときは、遺言書をつくることができない、作ったとしても、後に争いの種になってしまいます。遺言書は元気なうちに作ることをおすすめします。


5.遺言者に意思能力がなければ無効

 公正証書遺言にしたから絶対に大丈夫。しかしのちに遺言者の意思能力はなかったのではないかと争って、裁判になったケースもたくさんあります。公証人は法律のプロですが、医学のプロではありません。疑わしいときは、遺言書を作成したときに、あわせて医者の診断書もとるようにしておきましょう。


6.遺言書の存在を知らない

 自筆証書遺言では、遺言書を紛失してしまうという欠点があります。公正証書遺言では、そのデメリットはありません。しかしどちらの遺言書でも、作成したことを相続人に知らせておかなければ、相続人は探すことも無く、遺産分割を行い、争いになってしまっているかもしれません。内容はともかく、書いたことだけでも伝えましょう。

7.債務は遺産分割できない

 負の遺産も含め一人の相続人が全財産を相続する遺言書を作成。相続を受けない相続人も負債を負わなければと思い、納得した。しかし遺言の効果が発生した後、債務は支払われず、債権者からすべての相続人に対して債務弁済の請求がされた。これは債務は遺産分割の対象ではなく、いくら相続人のなかで決めたとしても、債権者には関係がありません。債務を相続しないためには、家庭裁判所に申立する相続放棄が必要です。