title.png 遺贈とは?                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           
n02.png 被相続人が死後、遺産を相続人以外に残したいと思うとき、「遺贈」という方法があります。


相続人以外にも遺産を残すことができる・・・遺贈

 「身内ではないが、あの人にはとても感謝してるので遺産を残したい」「相続人ではないが、孫にも直接遺産を残してあげたい」しかし、何もしなければ、遺産は法定相続のもと相続人に引き継がれます。生前に贈与すれば、被相続人の生活に支障がでます。それでは、死後に遺産として相続人以外に残すことはできないだろうか?このような望みに応えるものとして、遺贈という方法があります。


遺贈とは

 遺贈とは、呼んで字のごとく、「遺言によって贈与する」わけです。遺言によるので、被相続人が亡くなった後に遺産が引き継がれます。贈与する相手は、誰でもかまいません。相続人にでも、相続人以外でも贈与することができます。

 遺産の一部を遺贈することもできますし、遺産の全部を遺贈することもできます。ただし他に相続人がいる場合、遺留分には注意が必要です。「遺産全体の3分の1を遺贈する」などの一定の割合額の遺贈することもできますし、「遺産の中の○○にある不動産を遺贈する」などの具体的な財産を遺贈することもできます。前者を包括遺贈といい、後者を特定遺贈と言います。

 ちなみに、遺贈は遺言によって死後に残った遺産を分ける点で、「生前贈与」とは違います。また遺贈は被相続人単独の意思でされる点で、「死因贈与」とは違います。

 また遺言による「相続分の指定」や「遺産分割の方法」と相続人への遺贈の区別はほとんどありません。遺言で「相続させる」という文言を使っているか、「遺贈する」という文言を使っているかによって、どちらか変わってくるのです。もちろん、相続人以外に対して、遺産を残すことができるのは、「遺贈」であり、「相続分の指定」や「遺産分割の方法」ではできません。

包括遺贈と特定遺贈

 包括遺贈とは、遺産の全部または、一定の割合額の遺贈のことです。遺贈を受ける方を「包括受遺者」とよび、相続人と同一の権利義務をもつことになります。相続人と同格に扱われるので、相続放棄する場合は注意が必要です。「遺贈者の死亡を知ったときから3ヶ月以内にしなければならない」という期間制限があるからです。分かりやすいイメージとして、相続人のように引き継ぐのは良いものだけではなく、悪いものも引き継ぐということです。ただし、包括受遺者に遺留分や代襲相続の規定は適用されません。

 特定遺贈とは、具体的な財産を目的とする遺贈のことです。包括遺贈とは対照的に良いものだけをいただけるというイメージです。ですので、遺贈を放棄するのも遺贈者の死亡後いつでもかまいません。しかし、「負担付遺贈」の場合もあるので注意が必要です。